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2009-05-21(Thu)

John Cale 『Fragments Of A Rainy Season』

 クリスマスの日の朝に聴いた音楽。クリスマスは一般にはキリストの誕生日といわれているが、実際にはそうではないらしい(10月1日、もしくは10月2日説が有力)。生まれた年も紀元1年ではない。そんなことはどうでもよくて、まぁ、聖なる日としていろんな意味で非常にありがたい日である。戦争中の国でも、この日だけは戦闘を止めるというのだがらすごい。例えそれがキリスト教国ではなくてもである。

 背教者という言葉がある。有名なのはローマ皇帝だったユリヌアス帝だが、音楽の世界ではやはりこの人の名前が真っ先に出てくるだろう。レナード・コーエン。「聖なる背教者」などという良くわからない言葉で語られることが多い人だが、その楽曲に漂う強烈なユダヤ人としてのアイデンティティは、軽い気持ちでゴスペルを歌ってしまう(神を称えていればOK的な)ことを許すキリスト教とは一線を画している。北米でボブ・ディラン(彼もユダヤ人)が神格化されているのと同じように、カナダからヨーロッパにかけて、日本では想像できないほど巨大な人気と影響力を持つのがレナード・コーエンである。

 ここまで書いておきながら、今回紹介するのは全く別の人物。元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイルである。どちらかといえばサウンドクリエーター的なイメージの強いジョン・ケイルだが、パフォーマーとしても素晴らしいということを知らしめたのがこのライヴアルバムである。
 1991年にリリースされたレナード・コーエンのトリビュートアルバム『I'm Your Fan』のラストを飾っていたのがジョン・ケイルがピアノの弾き語りで歌う「Hallelujah」だった。タイトルだけみればキリスト教讃歌のようにも見えるだろう。しかし、レナード・コーエンの曲である。ひと言で言えるほど単純な曲ではないが、自分の信仰を試している曲だと僕は解釈している。レナード・コーエンの曲を本人以上の説得力を持って歌うことはまず出来ない。それは歌う側もはなから分かっているわけで、チャレンジでも対抗心でもなく、純粋な尊敬の眼差しから「歌う」という行為を選択する。そんな中で唯一、奇跡的にレナード本人の歌と肩を並べてしまった作品が、このジョン・ケイルによる「Hallelujah」だったのだ。もちろん、ジョン自身がそれを自覚しているかは分からないけど、『I'm Your Fan』でこの曲を歌わなかったら、このライヴ・アルバムもなかったような気がする。


Fragments of a Rainy Season
John Cale 『Fragments Of A Rainy Season』
Hannibal(1992年)



1. Child's Christmas in Wales
2. Dying on the Vine
3. Cordoba
4. Darling I Need You
5. Paris 1919
6. Guts
7. Fear (Is a Man's Best Friend)
8. Ship of Fools
9. Leaving It up to You
10. Cable Hogue
11. Thoughtless Kind
12. On a Wedding Anniversary
13. Lie Still, Sleep Becalmed
14. Do Not Go Gentle into That Good Night
15. Buffalo Ballet
16. Chinese Envoy
17. Style It Takes
18. Heartbreak Hotel
19. (I Keep A) Close Watch
20. Hallelujah







1992年にリリースされたこのライヴアルバムは全曲がピアノ、またはギターの弾き語りで歌われる。それは、自分の歌を自覚したという証拠なのかもしれない。自作の「A Child's Christmas In Wales」でライヴはスタートする。そして最後は「Hallelujah」で締めくくられる。 
この曲の最後の歌詞を引用してみよう。


I'll stand before the Lord of song 

With nothing on my tongue but Hallelujah


クリスマスの日の子供たちの姿に始まり、最後はユダヤの神を前に自分に問いかける。今日はクリスマスが始まる12月25日。クリスマスが終わる1月6日までに、救世主は人の形となって姿を現すのだろうか。



追憶の雨の日々 DVD
John Cale 『Fragments Of A Rainy Season』(追憶の雨の日々)[DVD]
MSI(2003年)


実はこれ、後になってDVDも出ている(たぶん日本のみ)。ピアノとギターをとっかえひっかえ歌うケイル。映像としてはそんなに面白いものではないが、CDを気に入ったなら見てみるのも一興。個人的にはCDの音だけで十分な気もしたけど。ただ、CDが日本盤も輸入盤もプレミアムが付いているので、こっちの方が入手は容易。



I'm Your Fan
V.A.『I'm Your Fan』
Oscar(1991年)

ジョン・ケイルによる「Hallelujah」の初出(スタジオ録音)がコレ。フランスの音楽雑誌「Les Inrockuptibles」(通称"レザンロック")の企画で実現した、レナード・コーエンのトリビュート・アルバム。タイトルはもちろん、コーエンの曲「I'm Your Man」のもじり。一時期、トリビュートがブームともいえるほど乱発された時期があったが、これはその先駆け的存在の作品で、集まったメンツも奇跡的だし、どのトラックも本当にコーエンを尊敬しているというのが分かる本気ぶり。これは必聴。ケイルのほかに、ロイド・コールの「Chealsea Hotel」とニック・ケイヴの「Tower Of Song」を推しておこう。


(2006.2.8/2009.5.21加筆修正)
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