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2009-08-29(Sat)

志賀真理子「mariko」

 だいぶ前に志賀真理子さんのことを書いたことがあるんですが、なんと、とんでもないものがリリースされてました。前回のエントリーとかぶる内容もありますが、より詳しく再度ご紹介。

mariko志賀真理子「mariko」
Warner Music Japan(2009)

1996年の再CD化より13年ぶりの復活。アナログはもちろん、前回のCDもプレミアの鬼と化してたんで、この再CD化は嬉しい限りではあるんですが・・・



 志賀真理子さんは1985年にデビューしたアイドルで、5枚のシングルと1枚のアルバムを残して1988年に大学進学と共に引退。その翌年に留学先のカリフォルニアで交通事故によりわずか19歳で亡くなっています。その人柄や性格も良かったらしく、そのせいか、いまだに個人のファンサイトが立ち上がっていたり、熱狂的なファンが多く存在する。当然、レコードやCDはプレミアの鬼と化しているわけです。
 
 正直言って、アイドルとしてはルックスもぼちぼちだったし、芽は出なかった。もともと、子役として活動していたらしく、その頃に童謡を歌った音源もあるらしい。その後、ビクターより、OVAアニメ「魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢の中の輪舞」(いわゆる魔法の変身ものアニメ)の主題歌「夢の中の輪舞」で歌手デビュー。翌年、同じく”魔法シリーズ"のアニメ「魔法のアイドル パステルユーミ」(こんどはテレビ版です)の主人公ユーミの声優と主題歌を担当。この曲「フリージアの少年」からワーナーへ移籍。これが正式なデビュー曲という位置づけとなり、ビクター時代のシングルはプレ・デビュー盤とされている。アイドルの場合、こういうケースは多いですね。

 そんな当時16~17歳の真理子さん。実は、歌の上手さはアイドルの中でも随一で、歌詞の世界に入り込んだ繊細な感情表現は10代のアイドルとは思えない程。テクニックや安定感だけだったらもっと上手い人はいっぱいいるんだけど、伝わってくるものの度合いが違う。約1年半という短い歌手活動の中でも、初期は完全な聖子フォロワーながら、後期はより自身の歌のスタイルというものを気にしだしたようで、中森明菜風の歌い方も聴かせるようになる。ちゃんと考えて歌っていたんでしょうね。この人が歌い続けていたら、どんなにすごい歌手になっていただろうと思う。反面、現在の坂本真綾のような、上手いながらも歌で演技してしまうようなスタイルになっていたことも考えられる。

 ともかく、彼女が残した歌は、素晴らしいものばかり。だから、アイドルのグッズ・コレクション的な意味ではなく、音楽としてポップスファンにはぜひ聴いていただきたい。そんなわけで、今回の再CD化は嬉しい限り・・・なのですが。

 と歯切れが悪くなってしまうのは、商品が店頭に並んで誰でも買える形でのCD化ではないから。ソニーが主催している"オーダーメイドファクトリー"という企画があって、要するに、ユーザーのCDリクエストに始まり、最終的に一定枚数以上の予約がとれた場合のみ生産販売するというシステム。今回はそれによるCD化なのだ。だから、発売前の時点で予約していないと買えない。"名盤は店頭でいつでも買えるべき"という観点からすると素直に喜べないのだが、まぁ、仕方ないんでしょう。それでも、熱狂的なファンがこうやって掘り出してくれるんですから。

ソニー・オーダーメイド・ファクトリー(志賀真理子のページ)
http://www.sonymusicshop.jp/detail.asp?goods=WQCQ000000150

 さて、今回のCD化で素晴らしいのは、前回のCD化の際には収録されていなかった「Rainy Day Hello」をはじめ、ワーナーに残った童謡以外のオフィシャル音源を全て収録したコンプリート盤となっていること。ヘンな商売っ気がない企画だからこそ実現した内容といえそう(と言わざろうえないのが悲しい)。


mariko2「mariko」
Warner Music Japan(1986.6.25)

唯一のオリジナル・アルバム。当時のアイドルのアルバムなんて、正直、楽曲なんていいかげんなもんです。もちろん、当時売れっ子のプロ中のプロが書いているわけだから、ソツなくそれなりのクオリティの曲が揃っていますが、突出したものもない。逆に、歌の魅力が楽曲を良く聴こえさせてしまうところに驚く。そんな中でも服部克久がアレンジした「キャンバス」はなかなかの出来。「ひこうき雲」も服部氏のアレンジなので、いっしょに依頼されたのかもしれません。


フリージアの少年「フリージアの少年/金のリボンでROCKして」
Warner Music Japan(1986.2.25)

両面ともアイドルポップス屈指の名曲。作曲/アレンジは両曲とも山川恵津子。この人は作曲家としては作品数は決して多くないながら、1曲1曲の作りが丁寧でいい曲が多い。この2曲もまさにその典型で、メロディの良さからテンポ感、音色に至るまで、完璧に選び抜かれ洗練されている。麻生圭子の作詞も、10代の少女の柔らかな恋愛観を上手く表現していて、穏やかな気持ちにさせてくれるいい歌詞だ。
「フリージアの少年」は、ミディアムテンポの緩やかなグルーヴを持ったAOR風の楽曲。アレンジは同時代の山下達郎のようで、ギターやドラムの音色の選び方や演奏まで、まるで達郎バンドがやっているかのようにも聴こえる。サビメロを抑えめに、Bメロでハイノートを爆発させるというメロディは、アイドル向けの楽曲としては相当に高度なもの。それをこなした上に、歌詞に合わせて表情を付けていくヴォーカルには驚くしかない。
「金のリボンでROCKして」は、一転してアップテンポの楽曲。リズム隊の走りそうになりながら後ろへ引き戻すグルーヴ感が素晴らしい。感情表現の上手さは「フリージアの少年」以上で、アップテンポのリズムに流されず、逆に押し引きを上手く使い、表現のスペースを作り出したヴォーカルのセンスは驚愕に値する。要するに、普通ならバラードで自分のタイム感の中で強弱を付けたりして感情を込めていくでしょ。それをリズムがどんどん進んでいってしまう曲の中でやってるわけ。当時16歳の歌とは思えない。


青い涙「青い涙/避暑地の約束」
Warner Music Japan(1986.5.25)

両曲とも作詞:売野雅勇、作曲:井上大輔、アレンジ:船山基紀。残念ながら比較的平凡なアイドルポップスになってしまった。メンツからみても分かる通り、当時アイドルポップスを大量に作っていた職人さんたちなので、失礼な言い方だが、普通のお仕事感覚で済ませてしまったのだろう。決して悪い曲ではないのだが、何か特別なものも感じられないということ。本来アイドルにアーティスティックなものは求めないので、これはこれでいい。ほかのシングルが良すぎるのが誤算だったというべきかもしれない。ヴォーカルも多少ノリが悪く、歌い方も雑。楽曲へ入り込めなくてこういう歌になったんだとしたら、逆に、それは耳の良さを証明しているといえる。それを超えた時、プロのシンガーになれるんですけどね。ちなみに、アルバム収録曲の「夏より遠くまで好き」は「青い涙」の歌詞違い曲。


ひこうき雲「ひこうき雲/雨に濡れてポニーテール」
Warner Music Japan(1986.12.10)

「ひこうき雲」は、森岡みまや井上ヨシマサが在籍していたコスミック・インベンションのアルバム収録曲のカヴァー。ユーミンのとは同名異曲です。作曲はコスミック・インベンションのプロデュースをしていた元ブルー・コメッツの鍵盤奏者、小田啓義。この曲が初めてもらった曲で、彼女自身お気に入りだったそう。このシングルはアルバムとは別ヴァージョン。アルバムより後のリリースなので、シングル用に再録音したんでしょうか。彼女自身の思い入れを考えるとありそうですが、トラックが同じだということと、歌い方がほとんど同じだということから、単なるテイク違いと考えるのが妥当な気もします。ただ、彼女独特の少し鼻にかかった声の深みが、後期の明菜風の低音唱法に近いものが感じられないこともないので、実際のとこころ・・・関係者に確認するしかありません。個人的には、谷山浩子の柔らかに流れる空気の一瞬を切り取ったような感動的な歌詞を、間をゆったりととって語尾まで丁寧に歌い上げたアルバム・ヴァージョンの方が好きです。シングル・ヴァージョンは語尾の表現がちょっとぶっきらぼうな感じ。何にせよ、これはオリジナルの出来を遥かに超えています。名曲・名演。
「雨に濡れてポニーテール」はアルバムからのカット。作曲はスターダスト・レビューの三谷泰弘。83年頃までの明菜風の曲。それを意識してか、明菜風のわざと重くタメた節回しとリリース部分を強く張った発声で歌うのだが、たまにふっと聖子風の歌い回しが混じってしまうところが微笑ましい。


rainy-day-hello「Rainy Day Hello/Time For Love」
Warner Music Japan(1987.8.25)

前回のCD化では収録が見送られたラストシングルが目出たく収録されました。
「Rainy Day Hello」は杉真理の作詞・作曲で、オリジナルは須藤薫。彼女自身が杉真理に歌いたいと直訴して実現したそう。そのせいか、杉自身がコーラス・アレンジも担当。アレンジは清水信之だが、不思議と86年頃の明菜風のアレンジ。同じワーナーということもあって、やっぱりそういう意識があったんでしょうか。歌い方も初期の聖子風(これが自然な歌い方だったんでしょう)から、意識的に明菜風に変えているのが分かる。初期とは別人のように大人っぽく、かわいらしくならないように深みのある声を出しています。デビュー1年半でこれだけ声をコントロールするテクニックを身につけているのは本当に凄い。これだけ歌えれば、引退してもアイドルではなくシンガーとして(特にバックコーラス系)呼び戻されたことでしょう。
「Time For Love」は、意図がよくわからない楽曲。たぶん、次の方向性を模索していたんだと思われます。歌い方もかなり迷いがある印象。


「青空パステル・キャンパス」

「フリージアの少年」や「金のリボンでROCKして」と同様に、「パステルユーミ」の挿入歌として使われた楽曲。サントラに収録されていたようです。よって歌い方は聖子風。作曲は馬飼野康二。少しやぼったい馬飼野節のメロディをこれだけさわやかに聴かせちゃうんだから、やっぱりすごい歌唱力です。サビメロが難しい曲なので、ちょっと苦戦の痕が見える。

おまけ

夢の中の輪舞「夢の中の輪舞/オルゴールを止めないで」
Victor(1985.6.21)

これが初録音でしょうか。「夢の中の輪舞」はロックな楽曲。例えば「Zガンダム」や「メガゾーン23」のあの曲などに通じるような感じです。「オルゴールを止めないで」は70年代半ば~80年代あたまの女性シンガーソングライターが書きそうな曲。どちらも歌い手を意識した節はまったくなく、歌は安定しているもののそれほど魅力的には響かない。マニアが持っていれば十分です。


 さて、そんなわけで、このCDは2月にリリースされたばかりですが、リリースと同時に廃盤。早速プレミアがついています。それを見込んで転売用に複数枚購入してヤフオクなどで高値で売っている人がいますが、それをあくどいと言うか、密かにリリースされていたこのCDをまだ買うチャンスと捉えるかはその人次第としておきましょう。実は、僕もヤフオクで入手したクチです。とりあえず、今ならまだ新品で入手できるチャンスがあることに間違いはありません。

(2009.4.11)
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