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2009-05-26(Tue)

Johnny Cash『At San Quentin』

 数年前までは、日本でカントリーというと、C&W(カントリー&ウエスタン)や昔のダサい音楽というイメージしかなかったと思う。しかし、近年は<スワンプ>やら<フォーキー>やらの人気、そして、何よりもグラム・パーソンズの影響で、カントリーという音楽もずいぶんと認知されてきたようだ。しかし、何かが違う。日本人の場合どうしても<音>から入る傾向がある。まぁ、英語が苦手な日本人だからそれは仕方ない。でも、カントリーという音楽の本質はそこじゃない。


at san quentin
Johnny Cash『At San Quentin』

Columbia/Legacy/Sony Music Direct(2006年)

オリジナルは1969年にリリース。その時の録音を2枚組に拡大してコンプリート収録。というのはウソで、実はまだ入ってない曲があった。それはコチラ↓で。;音だけ聴ければいいやという人はこのCDでも十分堪能できます。


at san quentin box
Johnny Cash『At San Quentin (Legacy Edition)』
Columbia/Legacy/Sony Music Direct(2007年)

その2枚組にさらに曲を追加。また、カナダのグラナダTVが収録していた映像をDVDで付けた3枚組ボックスセット。キャッシュだけでなく、共演したCarl Perkins、The Statler Brothers、Carter Familyなどの映像も入っています。日本盤は歌詞、対訳、字幕が完璧なので、日本盤を買いましょう。

Disc-1
1. Blue Suede Shoes
2. Flowers on the Wall
3. Last Thing on My Mind
4. June Carter Cash Talks to the Audience
5. Wildwood Flower
6. Big River
7. I Still Miss Someone
8. Wreck of the Old 97
9. I Walk the Like
10. Medley: The Long Black Veil/Give My Love to Rose
11. Folsom Prison Blues
12. Orange Blossom Special
13. Jackson
14. Darlin' Companion
15. Break My Mind
16. I Don't Know Where I'm Bound
17. Starkville City Jail
Disc-2
1. San Quentin
2. San Quentin
3. Wanted Man
4. Restless
5. Boy Named Sue
6. Blistered
7. (There'll Be) Peace in the Valley
8. Outside Looking In
9. Less of Me
10. Ring of Fire
11. He Turned the Water into Wine
12. Daddy Sang Bass
13. Old Account Was Settled Long Ago
14. Closing Medley: Folsom Prison Blues/I Walk the Line/Ring of Fire/The Re
Disc-3
1. Bonus Material [DVD]



 このCDを聴いて思い知らされた。ジョニー・キャッシュが1969年に行った刑務所慰問ライヴのコンプリート版。刑務所慰問ライヴ自体は珍しいもんじゃない。B.B.キングなんかもそういうアルバム出してるよね。 ここで聴けるサウンドはシンプルそのもの。耳の肥えたリスナーには、音だけなら退屈といわれても仕方ないかもしれない。カントリーにもいろいろ種類はあって、ナッシュヴィル・サウンドだ、ベイカーズフィールドサウンドだ、ウッドストックだ、とかそんなのはどうでもいい。ここにはシンプルな3コードの曲に力強い歌があるのみ。それがなぜこんなにも激しく感情を揺さぶるのか。それは、やっぱり歌詞なのだ。

 このライヴが行われたサン・クエンティンという刑務所は、全米でも特に指折りの犯罪者が集めれた刑務所だという。そんな場所で、受刑者を目の前にして、

サン・クエンティン、いったい何の役にたってるのか
刑を終えたら、生まれかわってるとでも思うのか
おまえなんか朽ち果て地獄の業火に焼かれてしまえ!

cash_fuckと歌う。この瞬間の受刑者たちの熱狂ぶりは、CDにも刻みこまれている。ライナーノーツにも書いてあるが、それは、今にも暴動が起きそうなほどだったという。しかし、それは決して受刑者の味方であるとか、犯罪を賛美したりとかいうわけではない。ジョニー・キャッシュ自身、7度もの投獄経験があるだけに、受刑者の気持ちがよくわかるのだろう。それを代弁しただけだ。だから彼の歌は、最初はカントリーに興味がなかったという受刑者たちをも熱狂させたのだ。

 彼の音楽には、ものすごいカリスマ、人間としての巨大な器が刻み込まれている。それを理解するためには、歌詞をひもといていくしかない。残念ながら、日本ではジョニー・キャッシュの偉大さは全く知られていないし、彼の伝記映画「I WALK THE LINE」も、アメリカでの大成功とうらはらに、それほど話題になっていない。それでもその映画化を記念してか、日本でもこうやって彼の代表作がCD化された。そして、歌詞、対訳とともに、ライヴ中のMCまでがすべて記載されている。これらを読みながらこのCDを聴く事により、なぜジョニー・キャッシュが偉大なのか理解できるだろう。

 レイ・チャールズは、「歌詞のストーリー性が人を感動させるんだ」と、カントリーミュージックの本質を見事に言い表した発言をしているが(映画「Ray」の中にも出てくる)、カントリーの本当のすごさはまさにそこにある。パンク・ロックがいかに過激なことを歌っていようとも、プロテスト・ソングがどんなに過激な政治的メッセージを放とうとも、普通の日常の中で普通に人殺しの歌と美しい愛の歌と賛美歌を同居させて歌ってしまうカントリーには勝てっこない。今、歌詞と歌の力というものを見直すときが来ていると思う。


(2006.6.28/2009.5.26加筆修正)
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